導電性あやとり紐を用いた形状変化する入力インタフェース

導電繊維をリリアン編みし,中心に毛糸を通した導電性あやとり紐を用いて,あやとりの技や変形を推定する手法を提案しています.あやとりには多種多様の技があり,ユーザが自在にアプリケーションに合わせた技を選択できます.また、「ゴム」や「紙芝居」のように形状が連続的に変化するものも含まれており入力に活用できます.提案手法は1本のあやとり紐しか使用しないためシンプルであり,紐の長さを調整することでユーザの手形状にフィットしたインタフェースを実現可能です.

アクティブ音響センシングを用いた無発声母音認識

アクティブ音響センシングを用いて黙声認識を行う手法を提案しました.提案手法は,耳の周囲に一対の小型の圧電素子をつけることで黙声認識を実現できます.従来のセンサやカメラを用いた認識手法に比べて,ヘッドホンのような耳に装着するデバイスに搭載することができ,目立ちにくいです.本研究では,アクティブ音響センシングを用いて母音の「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」に「口を閉じた状態」を加えた6種類の無発声発話動作の認識を試みました.日本語のかな文字は10種類の子音と5種類の母音の組み合わせで表現できます.そのため,母音のみを認識することで発話内容をある程度推定できます.また,母音を組み合わせてショートカット入力としても利用可能です. 7人の実験協力者に対して提案手法のプロトタイプの精度評価の実験を行ったところ,約88.4%の精度で6つの口形状を認識することができました.

導電繊維編み込みカーペットを用いた位置および向きの推定

導電繊維を編み込んだカーペットと靴下を用いて,カーペット上のユーザの足の位置と向きを推定する手法を開発しました.本手法は,導電繊維を格子状に編み込んだカーペットを,導電繊維がつま先およびかかと部分の電極部に編み込まれた靴下で踏んだ際に,カーペットの導電繊維の縦糸と横糸が靴下を介して短絡する現象を用いて各電極位置(=足の位置)を推定します. また,靴下の各電極はダイオードと抵抗を介して接続されており,つま先からかかとに一方的に信号が伝搬するため,この性質を利用して各電極の種類(=足の向き)を推定できます.

レーザーカッターによって炭化したゴムによる曲げ計測手法

本研究では,レーザ加工を用いてゴム表面を部分的に炭化させることで導電性を付与し,曲げセンサを作製する手法を提案しました.先行研究にて,木材表面をレーザ加工機を用いて炭化させ,回路や各種センサを作製する手法が提案されています.本研究では,この手法をゴムに応用して曲げセンサを作製しました.提案手法を用いることで,複雑な形状の曲げセンサを容易かつ安価に作成できる可能性が示されました.

導電繊維編み込み靴下を用いた足首および足趾の曲げ計測手法

我々は,導電繊維が編み込まれた靴下を用いて足首および足趾を曲げを計測する手法を提案しました.足首および足趾の計測には,関節を曲げた際に導電繊維同士が接触し,短絡することによって抵抗値が減少する性質を用います.靴下に抵抗値を計測するための回路のみを接続して用いるため,追加のセンサを必要とせず,軽量・柔軟であり,靴を履いた状態でも計測できます.